2014年10月4日土曜日

カーミージーの海を歩く

最近お世話になっているしかたに自然案内の鹿谷さん夫婦が講師を務め、浦添市民里浜ネットワークが主催する浦添市港川にあるカーミージーの海をフィールドにしたガイド入門講座を受けてきました。
「カーミージー」とは亀に見える岩にちなんだ名前
もともとはその岩のことをそう呼んでたんだけど、最近は周辺の海をそう呼んでるらしい。

詳しい人と海を歩くのは楽しいし、最近参加している調査の関係で潮間帯の生き物について勉強中なので参加してきました。講座の初回ということで、今回は実際にカーミージーの海を歩いて案内していただきました。

ということで、紹介していただいた生き物などをご紹介。
歩いた場所はキャンプ・キンザーの目の前。58に平行する西海岸道路建設のための工事も行われています。
この日は大潮で干潮時の潮位は49cm(那覇)でした。
ゴマフニナ

穴に隠れるチゴガニ
穴から出てきたチゴガニ。大きさは5mmくらい。たぶん。

イボヨウバイ。海の死体処理屋。
小さな潮だまりに魚の死骸をチャプチャプしてやると数秒で砂の中から出てくる。反応速すぎ。

ウミヒルモ。かわいい。


ボウバアマモ。その名の通り、棒状。

ルリマダラシオマネキ。まつ毛が生えてるけど見えます?カニにまつ毛が生えているなんて知らなかった。
細長く伸びた目は横に倒して収納するらしい。そのための溝がよくわかる。

沖縄レッドリストの準絶滅危惧種。繁殖期はもっと鮮やかな青らしい。

ソデカラッパ。英名はShame-faced Crabとのこと。恥ずかしがり屋みたいだね。

右のはさみにあるカギ状の突起を使って缶切りのようにして巻き貝を破壊して貝やヤドカリを食うらしい。

トゲクリイロナマコ?普通のクリイロとトゲクリを並べて観察したい。
肛門に肛歯と呼ばれる5本の歯がある。寄生生物が入ってこないようにするためだとか。

コグチクモヒトデ。最初ワモンと間違えた。

こんがい焼き色のついたロールパン。ではなく、ウキダカラ。

ニッコウガイ(の仲間?)。まるで日の出のようですな。ニッコウガイは沖縄レッドリストでは絶滅危惧IB類。

キクメイシモドキ。ポリプ1つの直径は5mmくらい。
黒色の骨格を持ち、泥地など他のサンゴが住めないような場所に生息。
スイショウガイの殻に固着したりします(←「キクメイシモドキ, スイショウガイ」で画像検索!)

帰り際に見つかった謎の穴。はがしてしまったけど粘液で砂を固めて少し塞がれてた。

けっこう深い。

バヤリースのビンを発見。

マガキガイ。沖縄方言でテラジャー、ティラジャーとも。
食用になるのでよく採られるようです。そして殻だけを海に捨てるという・・・。現代の貝塚ですな。

写真はないけどもちろん他にもいろんな生き物がいましたよ。カーミージーの海は基本的に砂地が広がっていてポツポツ岩場がある感じ。いわゆる海草藻場と呼ばれるタイプで、今回歩いた場所もリュウキュウスガモやベニアマモなどの海草が生い茂っていました。

今回案内してくださった鹿谷さんはカーミージーの海で定点観測も行っているとのこと。ホームページで公開されている写真からカーミージーの様子がよくわかります。

▼ 沖縄の海草藻場冊子
カーミージーの海の定点観測 しかたに自然案内

いろいろと生き物が見れて楽しかったのですが、印象的だったのは利用者の多さ。この日は祝日だったこともあり、地元の子どもたち、親子、夕飯のおかず狙いのおっちゃん・おばちゃんがたくさん来ていました。

周辺では工事が行われており、海岸へ降りるための入り口付近は工事中だったり、私有地だったりしますが、その隙間を縫うようにして海岸までの通路が確保されています。港川自治会が地元民のための通路確保を交渉したとか。そのおかげで今も多くの地元の人が利用できています。

案内してもらった鹿谷さんに聞いたところ、港川小学校の高学年の子どもたちは授業の一環でこの自然海岸を利用しているとか。その他にもエコツアーで利用したりもしているらしい。

里浜・カーミージーとは? 港川自治会
生き物探しに熱中 浦添・カーミージー 琉球新報 2014.07.17

上のほうで少し言及していますが、58号線の渋滞緩和、湾港施設へのアクセス強化、CO2削減などを目的にした西海岸道路建設と浦添市西海岸開発事業が進められており、今回利用した自然海岸の埋め立てが計画されています。

主要事業個別説明資料(内閣府 沖縄総合事務局) 29ページより引用・改変
赤線枠内は2003年時点での埋め立て予定地。現行の計画とはちょっと違う。
景観及び海浜利用者に配慮した橋梁設計より引用・改変
橋梁により埋立範囲が縮小した。

上の図で示されているように、段階的に行われる埋立・開発工事に対して地元の訴えが通じ、埋立範囲が縮小されました。やはり地元の利用者が多いこと、環境学習の場として利用されていることが大きかったようです。人が適度に利用することが最も効果的な保全活動かもしれませんね。

埋立の代わりに橋をかけることになるので橋脚を建設したりはしますが、自然海岸の一部は埋立を免れました。とはいえ、とても近い範囲で埋立や離岸堤などの人工構造物が建設されるので、海流の変化が起こると考えられます。これにより砂や生き物の加入状況が変わり、今回見て回った場所も景観や生息する生き物の変化が起こるかもしれません。

工事が進む前に、またカーミージーの海へ足を運びたいと思います。


その他、参考になりそうなWebページや資料は以下のとおり。

知らなきゃ損!損!初めての軍用地|カミヤプロデュース
▼ 景観及び海浜利用者に配慮した橋梁設計 内閣府 那覇港湾・空港整備事務所 企画調整課
▼ 事業評価監視委員会審議資料 沖縄総合事務局開発建設部
▼ 那覇港港湾計画図
▼ 那覇港 臨港道路整備事業(若狭港町線) 国土交通省 港湾局


追記:
その後、何度かカーミージーへ足を運びました。

カーミージーの海を歩く リターンズ | ウチナータイム@nk_ema 
夜の磯歩き@カーミージーの海 | ウチナータイム@nk_ema 
夜の磯歩き@カーミージーの海 リターンズ | ウチナータイム@nk_ema


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